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地下シロアリの性質

地下シロアリと呼ばれるヤマトシロアリ、イエシロアリは乾燥に弱く、外気や太陽光にさらされると体内の水分が失われるので、暗くて湿った場所を棲家にします。土中や材木の中を主な活動場所として、外気にさらされた場所を移動するときは、土や自らの分泌物で蟻道(ぎどう)と呼ばれるトンネルを作り、体を保護しながらその中を進みます。
これらのシロアリは、樹木などに含まれるセルロースを食料として好みますが、食料を求めてプラスチックや鉛などの柔らかい金属などをかじることもあります。また、木材の破片や他の植物からセルロースを得ることもあります。
シロアリの生態の大きな特徴は、兵隊アリや働きアリなどの階級があり、各階級はそれぞれの役割を担当し、コロニーと呼ばれる巣全体を一つの社会として生息する「社会性昆虫」であると言うことです。アリやハチとは、女王を頂点とした社会を持つところが類似しています。コロニー全体がひとつの生命体として働き、コロニーの存続のためには、個体の生命を犠牲にすることはいといません。それぞれの階級が、それぞれの役割りを果たしているのです。

 

 

ヤマトシロアリ Reticulitermes speratus

比較的寒さに強く、北海道北部を除く日本全土に分布します。また、韓国や中国にも広く分布しています。低温には強いものの、水を運ぶ能力がイエシロアリに比較すると劣るため、湿った木材を主に加害します。特別に加工した固定巣はなく、加害個所が巣を兼ねて、そこに生殖虫(女王・王)が住み、温度や水分等の生息条件が悪くなると、生殖虫も含め、新たな環境を求めて移動すると言われています。イエシロアリと比較すると、コロニーの個体数は小さく、通常1~2万で、3万を超えることはありません。イエシロアリの場合、女王から切り離されたコロニーは死滅すると言われていますが、ヤマトシロアリは女王から切り離されても、職蟻が生殖虫の階級に分化し、コロニーの再生が起こることが あるといわれています。個体数は少ないので、被害の進むスピードもイエシロアリより遅いものの、分布が全国的であるため、シロアリ被害と言う場合には、ヤマトシロアリによるものであることが多いと考えられています。有翅虫(羽アリ)の群飛は4月下旬から5月にかけての日中にあることが多く、特に雨上がりなどによく見られます。職蟻、兵蟻とも、個体の寸法はイエシロアリよりも小型で、薬剤に対する抵抗力も一般的にはイエシロアリより弱く、イエシロアリに有効な薬剤であればヤマトシロアリにも有効である事から、ヤマトシロアリ専用の薬剤や生態の研究はあまり広く行われていないので、未解明の部分も残っています。

 

 

 

 

 

 

イエシロアリ Coptotermes formosanus

寒さには弱く、温暖な地域に分布するので、日本では沖縄、九州、四国、本州の太平洋側に分布し、北限は千葉の房総半島あたりと考えられています。水を運ぶ能力に優れており、乾燥した木材でも湿しながら加害することができます。また、特別に加工した固定巣をつくり、時にはそこから100メ-トルも離れた場所まで加害を行う場合があります。成熟したコロニーでは、100万の個体数に達することがあると言われており、加害速度もヤマトシロアリに比較すると早いため、大きな被害になる事があります。女王を中心としたコロニー全体が一匹の生物のように活動しますが、その手足にいる職蟻・兵蟻が、一旦コロニーから切り離されると、そこから新しいコロニーを再生することはできません。有翅虫(羽アリ)の群飛は6月~7月の夕方から夜にかけて行われ、走光性(光に集まる性質)があるので、羽アリの集団が灯火に沢山集まる姿がよく見られます。